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ダッチワイフにお湯入れてみたまとめサイトブログ

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自殺サイトのオフ会に参加してきた2

自殺サイトのオフ会に参加してきたんだけど質問ある?
485 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 23:30:06.26 ID:AUr/ow9g0
足を前に進める
周りに誰も気にする者がいないという開放感が一歩足を前へと踏み出す度に、ベパーミンやらアドレナリンやらの脳内物質を作り出し(よく知らんが)俺に爽快感を与えてくれる。
そう、今おれは限りなく自由だ。
いつものフリーターの生活まんまの日々を送っている。
人混みの少ない平日、誰にも気を使うことがなくゆっくりとデパートを回れる自由さ。
先ほどまで俺にまとわりついていた、微妙に他人行儀な連中はもういない。
自由にデパートで買い物ができるのだ。なのに俺は、その足をエレベータ横に自販機と共に設置されている休憩コーナーへと向けていた。
デパートにはこれだけ多くの人がいて、仮にも話が出来る相手(別行動しているオフ会連中)と連絡をとることが出来るにも関わらず、俺は一人だった
一人が好きだなんてことはないし、それを誇らしいとも楽だとも思っている訳ではない。
ただ、一人でいられると言う事が、大勢の中にいても一人として一人が存在として一人の俺が(ry


一人になると無駄な事を考えてしまうのはいつもの事だったが、その日はオフ会連中の事を考えていた
これに参加したからと言ってどうこうなる訳でもない。別段女の子とフラグなんて都合よく立ってくれないし、友達が出来るわけでもない
自殺なんてもってのほか、お断りだ。だが、正直さっきまでのなんとはなしの騒がしさが嫌いじゃなかったのかも知れない。
gdgdで死のうかなぁみたいな事なんて俺だって毎日考えてる。その中で同じ考えを持った奴らと行動一緒にして、イタイ話ししたりするのも悪くなかったかもなとか無駄な思考を小一時間



489 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 23:45:46.70 ID:AUr/ow9g0
自販機の側に設置された柔らかいベンチ(なんちゃってソファ)に腰掛けながら俺の前を行き過ぎていく人達をぼうっと眺める。
こうやって人をみると、有機質っていうか存在してる人間が、無機質になっていく感じがするから好きだ。いや、失言だ。忘れてくれ
胸ポケットから煙草を一本とりだして、ライターで火をつける。
目に映る範囲でこちらに向かって小さく胸のあたりで手を振っているぬこ女がいるが気にしない。
見た目から服屋とかを女学生と回ってると思っていたが、どうやら本コーナーで一人、女性誌を読んでいるようだった。
相変わらず俺は気づいていないフリを続けつつ煙草を吸う。
もし気づいて手なんて振りかえしてしまった日には、同年代くらいの女と二人っきりで話すとか言った展開になりかねない。
そういう話題や空気を嫁ない俺にとっては、嫌われてしまう可能性が大きい。
なにより変に話して馴れ馴れしくなるより、今のままの敬語で会話しあうほうがなんとなく楽でいいような気がしたからだ。
まぁ、実際はチキンなだけで、人前で手を振るなんて恥ずかしかっただけだが


492 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 23:56:44.75 ID:AUr/ow9g0
しばらくの間、そうして俺は時間を無駄に潰していた。
もともとVIPでスレを見たり、ニコニコ動画でうはうはすることくらいしか時間を潰すことを知らない俺。
いきなりデパートで、さぁ別行動と言われても、俺の隣に腰掛け、ばーさんの買い物が終わるのを待っているのであろう、このじーさんのように別段することがない
正確に言えば俺もじーさんも何をしたらいいのか分からないだけなんだろう。
趣味も無く(じーさんには失礼かもしれないが)自我での行動が苦手なタイプには広すぎて余ある空間は似合わないのだ。
そんな哲学的ともとれなくもない意味の分からん事に思考を割先つつ、まだ時間がたっぷりある事実に落胆。

トイレに一度席を立ち、再びベンチに戻ってきた時だった。
俺の携帯からメールの着信を知らせる音が響く。
あまりにも情けない音の旋律に、誰がこんな糞ださい着メロ使ってるんだと一瞬あたりを見回すが、自分の携帯である事に気づき、もの凄いスピードで恥ずかしくなった。


499 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/12(土) 00:07:48.45 ID:i+6MNDPZ0
光の速度でパーカーのポケットに手を突っ込むと、携帯を射出。
即座に鳴り響く携帯のボタンを連打し、鳴り響く熱いアニソンの音色を叩き切る。
マナーモード設定ミスの不甲斐なさに全力で落胆しながら深呼吸。心を落ち着かせてメールを開く

どうやらPSPからのメールのようだ。
意外な人物からのメールに少しだけ驚きつつも、メールの内容を確認。
なにやらやけに遠回しな表現だったが、簡略化すると、今から俺と話がしたいらしい。
男との会話なら別に拒絶する意味も無いし、なにより一番年下のPSPが俺と話したいと言ってるのだから断るのもこくだと思い、了承のメールを送る
これが後に大変な事態を招く事になるとは思っても見なかった。



506 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/12(土) 00:18:35.45 ID:i+6MNDPZ0
PSPを待ちながら軽く辺りを見て回ることにする。
つい先刻まではぬこ女が雑誌を立ち読みしていた本コーナにある、絵画集やデザイン画を見たりする。
なにが凄いのかはよくわからないが、とりあえず絵のクオリティがべらぼうに高いのと、本自体の単価が3500円もすることから、凡人には理解もできない凄さがあるのだろう。
そうやって、やはり無駄な時間を過ごしながら本を開けては締めての怪しい行動を繰り替えす。
あの時考えてもちょっとイタイ行動だなと思ったが、本当にやる事がなかったのだから仕方がない。

いつの間にか届いていた、デブ女からのメールに書かれていたおいしそうなスイーツの店があったとの内容に賛同しながらも拒絶しつつ
俺はぼんやりとした時間の中で、まるで夢を見ているかのように平日の昼下がりを満喫しながらPSPを待っていた。



515 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/12(土) 00:36:01.15 ID:i+6MNDPZ0
会話は唐突に、そしてなんの前触れもなく始まった。



休憩所にPSPが姿を現す。
相変わらず妙に細いが背は高い。175~180と行ったところだろうか。
パッと見ると20代前半の俺と同い年くらいに見えるが、実際は19歳らしい。
生皮に骸骨とまでは行かないが、どこか不健康っぽいのは否めない体つきと顔色のPSPは、俺を視認するなり会釈で挨拶。

「どうかしたの?」
流石に敬語で話すのも相手に気を使わせてしまうと思い、敢えて敬語を使わずに挨拶する。

「あの・・・」
どこか詰まった声で曖昧に返答・・・というか、逆になにかを切り出そうとしている様子のPSP。
その様子から、いや、会った時からというべきか。
どこか切羽詰まった様子が伺い知れる。
そして、なんの前触れも予測すらも許さんと言わんばかりに、PSPはその言葉を口にした

「俺(◯◯さん)さんって一人暮らししてるんすか?」


526 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/12(土) 00:58:39.13 ID:i+6MNDPZ0
一瞬PSPが何をいいたいのか理解できずに思考がフリーズ。
脈絡が全く持ってないので、なぜ俺が一人暮らしなのか・・・その理由を聞く意味が分からない。
だがPSPの顔を見る限り、どうやら俺をからかうつもりはないらしい。
もはや流れが流れだけになにがなんやらよくわからないまま、俺は返事をする。
「ああ、えっと、一応一人暮らしかな。狭い部屋だしボロいアパートだけど」

笑いを誘うつもりの一言だったが、PSPは笑うどころか切実な顔で俺を睨みつつ、直結に一言。
「ちょっとの間、ちょっとの間でいいから泊めてもらえないっすか?」
PSPが放った言葉は、俺に空白の時間をつくらせるには充分な威力を秘めていた
バックアタックで攻撃を喰らった上に、麻痺まで追加効果をつけられたRPGのキャラクターになった気分だ。
「いや、なに言ってんの? 意味分かんない」をリアルで使いそうになるのを堪えつつ、混乱する頭で必死に考える。
だが出てくる結論は決まって、いや、なに言って(ry
色々深読みしようとするが、なぜにこいつを俺の部屋に泊まらせねばならんのか全く結論が見えてこないのでとりあえず聞いてみる

「えっと・・・どうして?」と

そして、返ってきた単純明快かつ一発で総ての謎を結びつけることができる返答に、全俺が驚愕することになる。

「いや、俺ぶっちゃけ家出中なんすよ」



527 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/12(土) 01:01:49.80 ID:i+6MNDPZ0
そろそろ死ねる
自分の進行速度の遅さに驚きつつもあまりの眠たさに(ry


だが書く



695 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/12(土) 13:36:00.45 ID:i+6MNDPZ0
スレ残ってて本気で泣いた
お前ら全力で保守サンクス
昨日は気づいたらPCの前で寝潰れていた
正直反省している

今から再投下していく


709 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/12(土) 14:00:09.18 ID:i+6MNDPZ0
春も順調に過ぎて行き、次の給料支給日が過ぎた頃には、その陽射しも街の景色も十分に夏の気配を感じさせるようになる。
そうやって街の景色や四季が移り変わっていくのと同じように、自然の摂理に逆らわずに、俺の毎日も過ぎていく。
朝起きて軽い食事を摂りながらPCの電源を入れ、VIPのスレをROMりながら溜め息。
迫り来るバイトの時間を億劫に感じながら、自主退学した大学への未練を忘れられずに後悔する毎日。
バイトに行けば、それなりに仕事できる事を評価されながらも、所詮はバイトとしてしか扱われず、これからの待遇は保証されない日々。
家に帰ればニコニコ動画をチェックしながらコンビニの弁当を食す。
下らない。 下らなすぎて笑えてくる毎日。
特別なイベントなんてなにもない。 延々と先の事、これからの事を不安に思いながらも、どうしたらいいか分からず、浅い海で勝手に溺れているような感覚。

だけど、俺は予想外の出来事で一喜一憂したりするよりは、不安で仕方ないけど、不便ではない今までの温い日々が好きだったのかもしれない。
その証拠に俺は今、とんでもなく動揺している。
他人の家出なんて、はっきり言ってどうでもいい。だが俺をそれに巻き込もうとしているPSPの台詞が、俺を渦中の人物に巻き込もうとしているのだ。

「駄目っすか? >>1さん」
唐突に、PSPが追い打ちをかける。 つまらなそうな表情を浮かべた顔がぴくりと躍動し、俺を睨みつけているように見えた。


717 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/12(土) 14:11:47.19 ID:i+6MNDPZ0

振り返るは昔の日々より、今の現実。
面倒ごとに巻き込まれるのはごめんだ。
この時点で俺の中には選択肢というものは存在せず、理由云々どうにしろ「だが断る」という答えが出ていた。
このオフ会に来ているメンバーの中で「一番頼りにならなそう、且つ、頼んだら断りきれなそう」な俺を見事選んだPSPの洞察力にははっきり言って感心する。
だが、俺には人一人を養ってやれる経済力も、なんらかの理由で警察沙汰云々になるのを覚悟したりできる楽観思考も、家に帰ってきたらPSPが家にいるという精神的にしんどい事実も踏まえた上で、断るという選択肢が一番上考なのだ。

だがしかし、そこは俺。
中途半端な偽善者であり、同時に面倒事や自分に干渉してくるイベントは糞嫌いな癖に、必要以上に世話を焼いてしまう。
とりあえず、こういう時によくドラマなんかで使われている、手元にあった台詞をそのまま引用して返答。

「いや、駄目っていうかさ、そもそもどうして家出なんか?」
その気もないくせに干渉してしまう俺は、どうみても偽善者かつ他人を馬鹿にしちまうタイプなんだろう


730 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/12(土) 14:27:17.65 ID:i+6MNDPZ0
俺がだした、とりあえずは一般的で本題に入ろうとしない返事に、PSPは眉を寄せて溜め息。
「頼んでおいてなんだよ、その態度」は的な思考が頭に入り、ちょっといらっとくるが気にせずに返答を待つ。

「まぁ、色々あって・・・」
そうとだけ答え、言葉を紡ぐのをやめるPSP。態度云々はぬきにして、深刻そうな感じから、泊まるところに困ってるってのは嘘ではないように見える。
いやな沈黙が辺りを支配しはじめたが、場違いに明るい声がそれをかき消す。

「あっ、>>1さんとPSP君! 二人で何話してるんですか」
突如として前方からこちらに早足で駆け寄ってくるネコ女だ。
よりによって一番、頭の中身がなさそうな奴が応援にかけつけてくれたとリアルで頭を抱えそうになる俺。


740 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/12(土) 14:44:40.42 ID:i+6MNDPZ0
じめじめとした肌に貼り付いてくるような梅雨のように重い雰囲気だというのに、近づいてくるネコ女の表情はムカつくくらい涼しげ。
動きもやたら軽やかで、テンションもやっぱり無駄に高めのようだ。
とりあえず俺とPSPは話を中断。「変な奴がきた」とPSPも内心そわそわしてるのか、どこか顔を伏せる。

「こんなところで何してるんですか?」
とんっといった擬音語で俺達の前に立ったネコ女は、なにが楽しいのかニコニコしながら質問。
今のテンションと比例しない笑顔と言葉を向けられ、顔をしかめそうになるが、俺は苦笑で返答。
PSPもこんな話を俺以外、しかもやたら世話をやきそうなこの女に話したくはないだろうと予測した俺の精一杯の心遣いだ。

「男同士の話ってやつですか?」
俺とPSPがあからさまにぎこちない雰囲気を気にしたようすもなく、そう追撃の言葉を投下するネコ女。

PSPは答える気もないのか、顔を伏せたままなので、仕方なく俺が答える。
いや、答えるっていっても正直どう答えたらいいのか分からない。なのでやっぱり苦笑で返答。

「そういえば、デブ女さん(◯◯さん)からメールきました? おいしそうな(ry」
分かったから速くさってくれと言わんばかりにそわそわするPSPをよそに、なにやら良く分からんスイーツの話を俺達に聞かせるネコ女。
俺はやっぱり苦笑で返すしかなかった。
そして同時に、これが噂に聞く「ずっと俺のターン」なのだと思いながら、ぼんやりとその場に立ち尽くしていた。





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